寂室元光像

09寂室元光像

1幅 寂室元光賛 岡山県指定重要文化財 ※
絹本着色
107.0×51.0
南北朝時代:貞治5年(1366)
自賛
頼久寺町・頼久寺蔵

これは頂相(ちんそう)とよばれる禅僧の肖像画で、師僧の現身(うつしみ)として寺内で重要視されるものです。頼久寺には現・真庭市勝山生まれで、臨済宗永源寺派の開祖にして頼久寺開山(かいさん)(寺院の創始者)である寂室元光(じゃくしつげんこう)(1290〜1367)の頂相が伝わります。寂室は名利を求めぬ高潔な人柄で知られ、厳重な参禅の基本を示すとともに詩書に優れた才を発揮しました。本図は県下最古の頂相の作例で、県の重要文化財に指定されています。

寂室は袈裟を着け、布をかけた曲彔(きょくろく)という椅子に坐った全身像で描かれています。当初は禅師の顔が忠実に表され、図上には寂室自作自筆の賛文が記されていましたが、経年劣化が進んだため後世補修の手が入り、一部に加筆や補筆、補彩が施されています。