釈迦三尊像
1幅 岡山県指定重要文化財 ※
絹本着色
107.9×63.0
南北朝時代14世紀
川上町・浄明寺蔵
中央に釈迦如来(しゃかにょらい)、向かって右に文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、左に普賢菩薩(ふげんぼさつ)の三尊が配置された、いわゆる釈迦三尊像です。
⑧の頼久寺本と比較すると、ずいぶん図像が異なっていることがわかります。頼久寺本は中央の釈迦如来は正面向きで、左右に配された両菩薩は互いに向き合っていますが、この浄明寺本は三尊がそれぞれ正面を向いています。また前者では脇侍(わきじ)の文殊は獅子に、普賢は象に乗っており、それは日本での一般的なスタイルです。しかし、後者での両菩薩はどちらも蓮華座にすわるだけで、獅子や象はどこにも描かれていません。
本図は裏彩色を施し、切金や金泥をふんだんに用いて釈迦三尊を描写したという特色を有し、頼久寺本より一段と宋代の様式が日本化していく過程を象徴するものといえ、岡山県の重要文化財に指定されています。