釈迦三尊十六羅漢像
1幅 桜井雪保・筒井半山合作 高梁市指定重要文化財 ※
絹本着色
144.8×84.9
江戸時代:文化13年(1816)
川上町・浄明寺蔵
本図には釈迦三尊が登場しますが、⑧や⑩とはずいぶん表現が異なっています。三尊の下には十六人の羅漢(らかん)(仏道修行者)が描かれており、また先の⑧⑩には背景が描かれていなかったのに対し、本図には岩や樹木、滝や水の流れの中で、すなわち山水表現の中に三尊と羅漢とが配置されているという大きな特徴を見出すことができます。つまり、水墨画的要素が強い仏画ということです。しかも画面左右の下に記された款記によって、上部は女流の桜井雪保、下は筒井半山という兄弟弟子にあたる二人の画家が江戸時代の文化13年(1816)6月に描いたものであることが判明します。本図は俗人の職業画家が家伝の雪舟流の山水表現をふんだんに画中に盛り込んで制作した仏画であり、高梁市の重要文化財に指定されています。