両界曼荼羅図(胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅)

12両界曼荼羅図(胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅)

2幅 高梁市指定重要文化財 ※
絹本着色
各77.9×65.3
江戸時代:慶安3年(1650)か
有漢町・宝妙寺蔵

曼荼羅とは諸尊の悟りの世界を表現したもので、一定の方式に基づいて諸仏・菩薩および神々を網羅して描いた図です。両界曼荼羅図(りょうかいまんだら)とは、胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅・金剛界(こんごうかい)曼荼羅の一対の曼荼羅をいい、密教(真言宗と天台宗)において行われるさまざまな修法で本尊として用いられます。これらは一具のものとされ、堂内の壁に胎蔵界を東に、金剛界を西に配置して掛け、祈祷する僧たちは護摩(ごま)を焚き、印を結び、曼荼羅をみることを通して瞑想を深め、真言(真実の語)を得ようとするのです。なお、胎蔵界曼荼羅は大日如来の慈悲が世界に放射される様をあらわし、計13部に分けて計414尊を、金剛界曼荼羅は画面を9等分して大日如来の智慧の構成をあらわし、総計1461尊を描きます。

本図は慶安3年(1650)に高野山で描かれた作を天明4年(1784)に宝妙寺増運和尚が入手し、以来同寺の什宝(じゅうほう)となったもので、高梁市の重要文化財に指定されています。