禮安衆文像(頼久寺9世)

14禮安衆文像(頼久寺9世)

慶長14年(1609)7月16日示寂
1幅
絹本着色
81.2×45.0

頂相の画像には、本図のような上半身だけの半身像タイプと布をかけた曲彔(きょくろく)という椅子に坐った全身像の倚像(いぞう)タイプの二つがあります。頼久寺に伝来する頂相中、上半身像はこれのみで、円窓中のものもこれだけです。頭部、特に目や唇、皺などには丁寧な描写がなされた半面、法衣の折れや皺は単調で袈裟の文様も入念とはいえません。これは顔貌を重視する頂相らしいと表現ということができるでしょう。

禮安衆文は頼久寺開山寂室元光が近江国に開いた永源寺の57世を務めた高僧で、兵火にあって荒廃した頼久寺を復興した中興開山。