雪巌全立像(頼久寺14世)

17雪巌全立像(頼久寺14世)

宝永7年(1710)3月27日示寂
1幅
絹本着色
116.0×51.8
賛者 全應玄提(永源寺96世)
宝永7年(1710)賛

頼久寺の前住職で後に永源寺91世となった雪巌和尚が76歳で没した後、その法嗣で頼久寺住職となっていた竺翁和尚の求めにより当時の永源寺住職全應玄提が賛文を賦したものです。そこには雪巌がかつて頼久寺の住持として善謀をなしたので朝廷から紫衣を許されたものの、永源寺では墨染めの衣を着ていたこと、永源寺を退いた後は風月を吟嘯して興じていたことなどを語り、末尾には手に竹箆を持ち、紫衣を着る。目には活気がみなぎり、骨は逞しく心は錦のようである。まさに和尚の正体は金剛であると記しました。画面右下の印章から「法橋」位に叙せられた「絵所素運」が描いたことがわかります。