地域志向教育研究経費の概要(平成27年度概要)

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地域社会の情報安全リテラシー向上を目的とする生徒・児童・保護者・教員の情報通信技術利用・情報安全リテラシーの現状調査と情報安全リテラシー講習会の実施 地域社会の情報安全リテラシー向上を目的とする生徒・児童・保護者・教員の情報通信技術利用・情報安全リテラシーの現状調査と情報安全リテラシー講習会の実施
 将来にわたって地方小都市が持続的に発展していくためには、地域社会住民が情報通信技術(ICT)を安全に活用することで、多くの人々が知識基盤社会に参加できることが求められます。本取組においては、昨年度の取り組みの成果を踏まえて、ICTを安全に活用する知識と技能を「情報安全リテラシー」と名付けてその内容を定義したうえで、とくに将来を担う子どもたちと保護者に焦点を当て、本学教員と学生、地域社会の一体となった取り組みによって、地域社会の情報安全リテラシーを向上させ、知識基盤社会における地域社会の持続的発展を可能とする安全なICT利活用の方策を探究していきます。

取組代表者 アニメーション文化学部アニメーション文化学科 准教授 大谷 卓史
地域世代間交流プログラムの実施による地域創成人材の育成 地域世代間交流プログラムの実施による地域創成人材の育成
 地域(特に中山間地域)の疲弊が進行している現在において、今後どのように地域を経営していくのか明確なビジョンを作成するとともに、多様な人を結びつけてビジョンを実現することができる人材が必要となっています。地域の課題はそこに住む人が解決策を考えなければならないことから、地域の中に人材が必要ですが、実際には、一部の地域を除き人材が不足しています。
本研究では、地域に住む若者や大学生が地域の先達と交流するワークショップを開催することにより、地域の若者や大学生が地域の課題について理解し、地域創成の担い手となる知識や能力を身につけ、地域創成において中心的役割を担う人材となることを目指しています。

取組代表者 社会科学部経営社会学科 教授 井勝 久喜
高梁市における未就園児の親子と保育士・幼稚園教諭を目指す学生との交流による子育て支援活動の試み 高梁市における未就園児の親子と保育士・幼稚園教諭を目指す学生との交流による子育て支援活動の試み
 高梁市において、唯一の子育て支援センターが、「ゆうゆうひろば」であり、この現状を踏まえ、一昨年より、学生と教員が様々な地域に出向いて、未就園児の親子と交流を図る活動を実施し、子育て支援の充実を図っています。高梁市の子ども課より、さらに多くの親子が、子育ての不安を解消する場として利用できるよう、支援活動の継続が求められています。
子育て支援は、「地域創生」の基本目標にもあげられており、また本活動は、「子ども・子育て新制度」を支える「子ども・子育て関連3法」の、主要な活動である「地域の実情に応じた子ども・子育て支援」(内閣府)に通じるものであると考えられます。
大学の活動を通して、子育て支援センターへの認識を深め、在宅での子育ての環境作りに貢献します。

取組代表者 心理学部子ども発達教育学科 准教授 中野 明子
読み書きに困難のある児童への学生による学習支援方法の検討 読み書きに困難のある児童への学生による学習支援方法の検討
-高梁市における地域支援機関との連携による支援実践の試み-
小中学校の通常学級には,何らかの発達障害がある児童生徒が6.5%在籍しているといわれ(文部科学省, 2012),障害の種類別にみると,知的発達に遅れはないが読む・書く・話す・計算するといった特定の分野に困難を示す「学習障害」の児童生徒が4.5%という高い割合を示しています。特に,読み書きに困難がある児童は,学習面の問題だけでなく,できないことへのストレス,自己肯定感の低下などの心理的問題を呈することも多く,友人関係の不和や不登校といった学校不適応につながるケースが多くあります。
このような児童への支援は,主に学校教育において行なわれるが,一斉授業の中では支援が困難で,個々の特性に応じた特別な指導が必要となるため,十分とはいえません。現在,高梁市では小学校1校に通級指導教室(ことばの教室)が設置され,そこに通って個別指導を受けることができます。しかしながら,通級指導教室は通常の授業時間中に保護者の送迎により通ううえに,受け入れ人数も多くありません。支援の必要な児童が,さまざまな形で支援を受けるために,大学や心理相談室および学生にできる支援を検討していく必要があります。
こうした現状をふまえ,発達障害や心理的支援について学んだ学生が読み書きに困難のある児童の学習支援を行い,その効果から,今後大学や学生が実施できる支援方法を検討することが本研究の目的です。

取組代表者 心理学部心理学科 講師 藤原 直子
地域高齢者と大学生及び児童との世代間交流,プログラムの開発の取り組み 地域高齢者と大学生及び児童との世代間交流,プログラムの開発の取り組み
 高齢化率が37.0%(平成26年度)と超高齢社会を迎えている高梁市をモデルに、老人クラブに所属する高齢者と大学生、児童の三者が世代を超えて交流できる、自己成長的な世代間交流のプログラムの開発を目的としています。
 平成26年度の調査において、高齢者、大学生、児童のそれぞれは相互に交流希望があることが確認できました。しかしながら、地域の暮らしの中で高齢者の英知を、また大学生や児童の英知を相互に伝えあうプログラムはまだ開発されていません。大学生は、将来の地域の担い手として、児童は未来の担い手として、高齢者の英知から学びます。このことが豊かな高梁市の創造に大切であると考え、試行します。

取組代表者 保健医療福祉学部看護学科 講師 岡 和子
高梁市の子育て支援に関する研究:過疎地域における利用者視点からのニーズ把握を中心に 高梁市の子育て支援に関する研究:過疎地域における利用者視点からのニーズ把握を中心に
 山間部である高梁市の中でも特に山間へき地である、川上地域等に子育ての困難さの実態があります。また、母子にとって交通の不便さや行政機関、医療機関まで遠距離であることから、社会的サポートが得られにくい深刻な課題もあります。さらに、地域での学童期の子どもの通学時の見守りサポート等もほとんど不可能な状況です。これらのことから、本研究において、高梁市の中山間地域の子育てサポートの実態を明らかにし、中山間地域におけるフォーマル・インフォーマルな支援とケアのあり方を検討することが求められています。
本取組では、高梁市の中山間地域における子育て支援の実態を利用者視点から明らかにします。

取組代表者 保健医療福祉学部看護学科 准教授 高尾 茂子
地域志向への人材育成・支援の教育と技術向上研修プログラムの研究 地域志向への人材育成・支援の教育と技術向上研修プログラムの研究
 高齢化社会を迎え、保健医療福祉関係の人材確保は、地域の重要課題です。本大学は、地域と連携のもと人材育成を推進しています。しかし地域の利点と課題への情報不足、技術向上への不安や若手医療従事者との人的交流に乏しいこと等、学生は、将来への不安が大きく、地域に根づくことが出来ないと推察されます。従って、大学に入学早期から地域の情報提供、地域若手との人的交流、そして技術向上の研修などを通して、地域で活動できる人材を育成・支援することが可能となります。看護学科は、これまで地域の6医療施設と連携をしており、さらに今回、実践的な技術研修のできる医療福祉研修センターが整備されました。そこで大学入学早期ら地域志向教育(1)の充実に加え、地域人材交流(2)と研修センターでの技術向上(3)を組み合わせ、地域から大学そして地域・地元施設へ循環可能な人材育成・支援となる教育と人的交流、ならびに技術向上に関する研究が必要です。
高梁地区は高齢化が顕著で、以前から保健医療福祉の支援・改善に行政と大学が連携して取り組んできました。しかし十分な成果、特に人材の地域残留に結び付かない現状があります。入学早期から学生生活を通じて、1)地域の情報教育(キャリアーサポート)、2)人材交流(地域6医療施設協議会)、さらに3)保健医療技術向上(地域保健医療福祉センター)の3点について大学を核にした地域残留人材の育成・支援の教育と技術向上の研修プログラムを構築します。

取組代表者 保健医療福祉学部看護学科 特任教授 山内 芳忠
看護学生が乳幼児健康診査で行う子どもとの交流(遊び)プログラム開発 看護学生が乳幼児健康診査で行う子どもとの交流(遊び)プログラム開発
-実習前の子ども観と養護性の変化-
 健康な母子を対象とした母子保健領域実習は,従来統合カリキュラムである保健師科目において実施しています。しかし,平成24年度から保健師科目を選択科目としたことで,看護師科目のみを履修する学生は母子保健の基本である子どもの正常発達や保健指導などを経験できないカリキュラムとなりました。そこで,4年次の看護学生に,母子保健法における乳幼児健康診査実習を統合看護演習Ⅰの必須科目に位置づけ,全員が履修するととしました。乳幼児健康診査は,子育て支援や保護者の仲間づくりなど「地域で支える体制」,保護者が子どもに接している様子から「母子関係づくり」,子どもの「正常発達過程」,保健師が核となった「予防的母保健活動」など幅広い体験が提供される場です。看護職として希求される学びや養護性が育成されるだけでなく,次世代を産み育てる学生が自分自身のライフステージを振り返り,将来を考える体験へと発展することを可能とすることから,本研究は必要とされています。
本取組では、高梁市乳幼児健康診査において,看護学生が乳幼児やその保護者との交流や遊びの場を提供するためのプログラム創出への資料を得るために,看護学生の子ども観と子育て意識を明らかにすることを研究目的とします。

取組代表者 保健医療福祉学部看護学科 准教授 田中 富子
南あわじ市の「市の花」水仙および特産ビワの花酵母を利用した地域ブランド食品の開発研究 南あわじ市の「市の花」水仙および特産ビワの花酵母を利用した地域ブランド食品の開発研究
 本課題は、南あわじ市の地域ブランド食品づくりを目的とするものです。そのためには、南あわじ市の「市の花」水仙と、南あわじ特産果樹のビワに着目し、それぞれの酵母菌の分離と遺伝子診断による種の同定を繰り返し行い、有用な酵母菌を得、発酵食品への実用化を目指します。

取組代表者 学長 / 地域創成農学部地域創成農学科 教授 眞山 滋志
農地の土壌改善と地域農産物のブランド化に向けて 農地の土壌改善と地域農産物のブランド化に向けて
 本課題は、学生をして、①土壌改善(土づくり)による農産物の収穫量と食味・品質、耐病性の向上について体験させるとともに、得られる成績を基に改善すべき点について論議させ、農業生産におけるリーダーにふさわしい思考・想像力(技術開発力)を身につけさせることを目的とします。また、食の安全を重視した栽培技術の開発により、地域農産物のブランド化も検討します。

取組代表者 地域創成農学部地域創成農学科 教授 谷坂 隆俊
南あわじ地域における植物病原菌の薬剤耐性モニタリング 南あわじ地域における植物病原菌の薬剤耐性モニタリング
 近年、我が国で最も重要なイネいもち病の防除に使用されるQoI剤(ストロビルリン系薬剤)に対する耐性菌が西日本を中心に広がり、2013年には兵庫県でも全県的に確認されて薬剤防除効果の低下に伴う病害の多発を招いています。そこで、この研究課題においては、南あわじ地域における農作物生産の安定をめざして、兵庫県内の関係機関、自治体と連携して、この耐性菌の南あわじ地域における分布と消長を研究室の学生ととも明らかします。また、同地域の主要農作物タマネギやレタス、キャベツに発生する灰色腐敗病菌、灰色かび病菌、菌核病菌など各種病原菌の薬剤耐性について調査し、営農指導者や農家に薬剤防除に関する指針を提示します。

取組代表者 地域創成農学部地域創成農学科 教授 石井 英夫
農業技術及び圃場環境の情報化に関する動向・実態調査 農業技術及び圃場環境の情報化に関する動向・実態調査
 南あわじ市では、農業の担い手の不足や高齢化が進んでいることから、農業生産の効率化と省力化が求められています。また、農業後継者の育成の効率化も同様の理由から課題とされています。もっとも、農業分野は情報化、IT化がもっとも導入しにくい分野のひとつといわれており、どのようにIT化を導入することがこの地域に適切であるかを評価する必要があります。本研究課題では、各地の情報化農業の実態と動向を調査し、同時に南あわじ市および淡路島内の情報化の現状調査とニーズの把握を目的とします。

取組代表者 地域創成農学部地域創成農学科 教授 橋本 久美子
キノコ廃菌圧を用いた地域特産農作物の病害防除 キノコ廃菌圧を用いた地域特産農作物の病害防除
 南あわじ市の「森の木ファーム」では、シイタケ栽培後に大量に発生する使用済み菌床(廃菌床)の処分や規格外シイタケの活用法が大きな課題となっています。一方で、食用キノコの成分が、植物の病害に対する抵抗性を強めるという報告が既になされています。そこで、廃菌床や廃棄キノコが、地域特産農作物の病害防除に利用できるかを地域創成農学部と森の木ファームとの共同で研究いたします。

取組代表者 地域創成農学部地域創成農学科 講師 村上 二朗
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